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健康管理





 猫の尿石症は若齢から起こるとても多い疾患で、主に血尿や排尿障害などの症状が見られるのが特徴です。この疾患は処置が遅れると慢性の膀胱炎を繰り返したり尿道の狭窄・閉塞などを併発します。そのままにしておくと腎機能が低下し、ひどい場合は急性腎不全で死亡してしまうこともあります。


主な原因としては 
1.食餌や飲料水の中に含まれるカルシウム、マグネシウム、リン、尿酸、ケイ酸、などのミネラル分を成分
  として、尿中のタンパク質などと結合することによって結石が作られます。
2.細菌性膀胱炎などの尿路感染症で炎症が起きることにより、膀胱や尿道の粘膜の細胞などが尿中
  に剥がれ落ちます。それが核となって結晶を作り、やがて結石となります。
3.飲料水の摂取量が減少すると、尿量や排尿回数が減少して濃縮された尿が作られます。
  濃縮された尿は結石を作りやすい環境です。
4.マグネシウム、カルシウム、リン酸などを多く含む食餌(このような食餌は嗜好性が良い)を過剰に
  与えると尿中に出てくるそれらの成分が増加し、結石を作りやすい環境になります。

その他にも体質の問題などそれぞれの猫によって様々な原因があります。

特徴
 猫における尿石症の発症は3歳〜5歳ごろの猫によくみられる病気です。尿石症による尿道閉塞は雄猫に多い病気です。なぜ雄猫に多いのか?・・・それは、雄は雌よりも尿道が細いため結石が詰まりやすいという構造上の問題があるからです。だから、雌には結石ができないという訳では有りません。雌猫にも結石はできます。しかし尿道閉塞を起こすことは比較的まれです。

症状
 尿石症の症状は結石のできる場所によっていろいろと異なり、また病状や予後についても変わってきます。結石がよく見られる場所としては膀胱と尿道です。膀胱結石の場合はおもに血尿と頻尿(何度もトイレに行く)がみられます。尿道結石の場合は血尿や頻尿が見られるとともに排尿困難(尿が出にくい:トイレにはいったきり出てこない)や排尿時の疼痛(排尿時に変な声で鳴く)などの症状がみられます。膀胱内に多量の尿が貯留するため腹囲の膨満などの症状もみられます。特に尿道結石の場合には処置が遅れると急性腎不全をおこして死亡してしまうこともあります。

どうしたらいいの?
 猫はからだの構造上、尿石症を起こしやすい動物です。尿石症は一度直っても再発しやすい病気でもあります。この尿石症を発症させずに、または一度直ったとしても再発させずに上手に尿をコントロールするにはいくつかの方法があります。

1.食餌療法
 
a.それぞれの猫の結石成分にあった特別処方食があります。この食餌を食べることによって尿のpHを
   調節して現在ある結晶を溶かしたり、結晶を析出させないようにする食餌です。
 b.まだ結晶ができていないが、尿石症を予防したい場合も食餌でコントロールするこが一番よい方法と
   考えられています。(予防食)
これらの治療食や予防食は、その子にあったものを動物病院で処方してもらいましょう。

2.内服薬
  
内服薬を飲むことによって尿のpHを調節します。内服薬には錠剤、粉末、チューブ入りのペースト状の
  ものなどいろいろなタイプがあるので、一番飲ませやすいタイプのものを選びましょう。

動物病院に来院するときは
 動物病院に来院するときはできるだけ尿も一緒に持ってきてください。尿を検査することによっていろいろなことが分ります。また、尿はできるだけ新鮮なものを持ってきてください。古いものだと細菌感染の度合いや尿pHが正確には分りません。どうしても尿が取れない時は、病院に来院したときに尿を抜いて検査(有料)することもできます。 尿を持ってきて検査だけ行っても構いません。

この病気の治療には尿検査が最も重要なカギと考えてください。

それでも尿道閉塞を繰り返してしまう場合は
 それでも尿道閉塞を繰り返してしまう場合は、外科的手術によって雄猫の尿道の出口(ペニスの先端部分)を切り広げる手術を行います。そうすることによって完全に尿が出なくなること(完全尿道閉塞)を防ぎます。


結石の原因となる主な結晶の種類
★ リン酸アンモニウムマグネシウム(ストラバイト)結晶
   猫の尿石症の原因になる結晶の中で最も多い結晶。尿のpHが中性からアルカリ性に傾くと
   出やすくなる結晶。
★シュウ酸カルシウム結晶
   尿のpHが中性から酸性に傾くと出やすくなる結晶です。
★尿酸アンモニウム結晶
   尿のpHがアルカリ性に傾くと出やすくなる結晶です。
★尿酸結晶
   尿のpHが酸性に傾くと出やすくなる結晶です。
   
結石は尿検査を行い、どの結晶が出ているのか顕微鏡を使って区別することができます。
結晶・結石の成分によって治療・予防法が異なります。(結晶が出ない場合もある。)


猫の下部尿路疾患用処方食
石・結晶の種類
ヒルズ
ユカヌバ
ウオルサム
 ストラバイト予防
c/d,r/d,w/d
低pH/S
pHコントロール
 ストラバイト溶解
s/d
なし
なし
 シュウ酸カルシウム予防
c/d
中pH/S
なし
 尿酸塩
なし
なし
なし
 シスチン
なし
なし
なし