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健康管理





子犬が咬むのは自然な行動
 2−3ヶ月齢の子犬が「じゃれついて咬んで困っている」と、質問されることがしばしばあります。しかし、この頃の子犬はそれが普通で、そうでなければかえっておかしいのです。この時期は、「子犬に強く咬んではいけないことを教える」大切な時期です。咬まない子犬に咬んではいけないことを教える事は難しいので、この時期にはむしろ、咬んでくれた方が良いのです。大切な事は、永久歯が生える5ヶ月頃までに強く咬んではいけないことをきちんと教える事です。
 本来ならまだ母親や兄弟と一緒に過ごすこの時期は、子犬は母親にじゃれてかみついたり、お互いに追いかけっこしたり、取っ組み合いや咬み合いをするものです。この体験によって「咬まれると痛いこと」、あまり強く咬むと母親に叱られたり、兄弟が「キャンキャン」と言って逃げて遊んでもらえないこと、などを学んで行きます。 ところが、多くの子犬はこの時期に母親や兄弟と離れて、人間の家族の一員となってしまいます。したがって、子犬は人間を母親や兄弟に見立ててじゃれたり咬んだりするのです。たいていの飼い主はこの子犬の行動をよく理解せず、間違った反応で子犬をますます手におえなくしてしまうのです。


誤解を生む飼い主の反応と間違ったしつけ
具体的にどのような反応が子犬の誤解を生むのか考えてみましょう。
 小さな子供は得てしてかん高い声で「キャーキャー」騒いだり、子犬の相手になって応戦してしまいます。かん高い声は子犬をさらに興奮させ、相手をしてもらうことで遊んでいる気分になり、ますますこの遊びが大好きになってしまうのです。 女性に多いのは「痛い!やめてー!」などと騒ぎながら、押しのけたり、軽いおしおきをする事です。子犬はかまってもらっていると勘違いし、ますます喜んでしまうのです。騒いだり、軽くたたいたりする事は子犬にとっては罰になりません。子犬は少々の痛みには無頓着で、飼い主に注目されている事がかえって子犬のご褒美になってしまうのです。 こんな時、男性なら低い声で「こらっ!」と叱ってガツン強く殴るかもしれません。この方法は間違っているにもかかわらず、大変効果的です。このような人には二度と咬みつかなくなります。

何故この方法が間違っているのでしょう? 
 子犬は「この人は咬むと怒るからやめた方がいい。でも他の人は大丈夫。」と思ってしまうのです。お父さんには咬まないけれどお母さんや子供に咬みつく犬というのはよく聞く話です。こんな風に育てると、「強そうな人には咬まないけれど小さな子供や女性、高齢者などに攻撃をしかける犬」になりがちです。

みんなでガツンと殴ったらどうでしょう? 
 昔の犬のしつけではとにかく「徹底的にやれ」とよくいわれました。 ただ遊びたくてうれしそうにじゃれてきた子犬に、みんなでいきなりガツンと思いっきり殴ったらどうでしょう?心から人間が信じられなくなってしまいます。強い体罰を与えられて育った子犬は人間不信になったり、ハンドシャイと言って、人が手を近づけるだけで殴られると勘違いして逃げたり、咬みついたりするようになります。特に臆病な性格の犬ではますますその傾向が強くなり、大変扱いにくい犬になってしまいます。 最も危険な事は、もしこの子犬が支配欲の強い性格だった場合、体罰に反抗してうなったり、咬みついたりするかもしれません。その時飼い主がちょっとでも怖がったり、うろたえたりすれば子犬はうなったり、咬んだりすれば思い通りになると学習してしまいます。その結果大変な問題犬をかかえることになるのです。
 子犬がとても安定した穏やかな性格の持ち主なら少々体罰を与えても問題なく育つかもしれません。


咬みぐせを治す正しいしつけ方
それではどんな人でも簡単にできて、効果的で、かつ副作用もない方法とは?
エネルギーのはけ口を作る
 まず子犬にエネルギーのはけ口を作ってやります。この頃の子犬はとにかくエネルギーがありあまっているのです。まずそのエネルギーを押さえつけるのではなく、どんどん吐き出す方法を考えます。そうすることによって飼い主に咬みついてくる頻度を少しでもへらします。咬みたいという本能を満足させてあげるために咬むためのおもちゃ(コング・ナイラボーン・ガムなど)を与えて一緒に遊んであげましょう。ボールを投げて持ってこをさせる、思いっきり走らせるなど違った方向にエネルギーを向けさせるのも良いでしょう。またできれば同じ年頃の子犬と遊ばせるとか、性格の良い成犬と遊ばせるのも効果的です。この事は同時に、他の犬に慣れ、犬同士のつきあい方を学ばせる意味でも大変良いことです。
 このようなはけ口を作らずに、ただ子犬に咬む事をやめさせようとしてもなかなかうまく行かないばかりか、子犬が欲求不満になり、別のいたずらを始めてしまいます。

力を入れて咬んではいけないことを教える
 子犬がじゃれてきたら、今までどうり一緒に遊んであげます。ただし、子犬が手や足に咬みついてきたら気をつけます。子犬が力を入れて咬んだ瞬間に「痛い!」と大声で叫びます。そして、そのまま子犬から離れてしばらくの間無視します。子犬は最初何のことか理解できずにポカンとして、おかまいなしにまたじゃれついてくるかもしれません。それでも家族全員が同じように対処すれば、間もなく「強く咬むと遊んでもらえない」ということを理解し始めます。 私達人間も人に無視されたり口をきいてもらえなかったりするととてもつらい気持ちになります。この「無視、すなわち交流を絶ってしまうという方法」は、人間と同じように社会性の強い動物である犬にはとても効果的な罰となります。しかもこの罰は誰にでも簡単にできて、体罰のような副作用もありません。

子犬が強く咬んではいけないことを理解できたら、少しずつ優しく咬むことを教えます。
 子犬がほんの少しでも力を入れて咬んできたら、痛くなくても「痛い!」と言ってやめさせます。このようにして子犬に少しずつ咬むことをやめさせましょう。